「リアル」な進化を遂げるMMOの未来

本ブログでは主にオンラインゲーム、中でもMMOと呼ばれるジャンルの
ゲームについて取り上げる機会が多いんだけれども、このMMOっていう
ジャンルは最近飽きられているような風潮を感じます。

というのも、前から書いているように最近のMMOはWOWを模倣したような
ゲームばかりで、「WOWや他のWOWクローンとどのように差別化を図るか?」
という点「しか」見つめていないように思えるんです。

基本的にはLv1からカンストまでは各クエストハブ(街)でお使いクエストを
ひたすらこなしながらレベルを上げ。レベルカンストからはギアを整えつつ
高難易度のレイドを攻略します。

アップデートでは新しいレイドとギアが追加され、あとはその繰り返し。

新しいタイトルを遊ぶと最初は新鮮で楽しいかもしれないけれど、
やっているうちに飽きがくる。

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「なんだこのハムスターのように滑車を回し続けるコンテンツは」とね。

生活系コンテンツ(ハウジングやクラフト、カジノなど)が豊富にあるタイトルも
あるけども、なんだか単調ですぐに飽きてしまうんですよ。

これが僕が最近のMMOを遊んでみて感じたこと。

で、MMO好きの人なら誰もが思っていると思うんです。

「進化が必要だよね」と。

かつてのウルティマオンラインのような、リネージュのような、WOWのような、
MMOの世界を一歩先に進めてくれるようなタイトルをみんな求めているんです。

そこで、今回はこれからMMOの世界はどのように進化を遂げて行くのか?
という部分を考えてみたいと思います。

僕としては、これからのMMOは「とある軸」に沿って進化していくと思うんです。

その軸とはタイトルにもあるように「リアル」という言葉です。

具体的にこれから起こるであろう進化を二つ上げるとすれば以下の二つになります。

・AI(人工知能)の進化
・没入感の進化

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人工知能っていうのはこれから凄い勢いで進化していくと思います。

これから先の時代、AI の進化によって「創造性が求められる仕事以外はこの世から無くなる」
とさえ言われていますからね。

このAIの進化っていうのはMMO業界にも衝撃を与えると思っています。

僕がMMOを遊んでいて一番違和感を感じるのは、NPCの存在です。

ただそこに立ち、決まった台詞を話し、決まった行動をするNPCというのは
MMOの中でリアルを感じない一番の要因じゃないかと思うんです。

このNPCがAIの進化により、より少しずつ実際の人間の思考に近づいていけば
今までに無いような面白いコンテンツが生まれるのではないかと思います。

2015年にローンチされるMMOでは、NPCのリアルさに着目した物がちらほら
出てくるんじゃないかと思います。

韓国産で2015年ローンチ予定の「黒い砂漠」では、AIとまではいきませんが、
それぞれのNPCに情報を持たせ、その情報をプレイヤーと取引させるような
コンテンツが生まれています。

これはNPCに新しい役割を持たせようというアプローチですよね。

現在開発が行われているSOE社の「EverQuestNext」では、そのコンセプトの一つとして
「賢いAI」というものが入っているように、本格的にNPCにAIを実装する試みを行っています。

それぞれのNPCが自分の目標を持ち、それを達成する為にゲームの中で様々な行動を起こすのです。
そしてそれはもちろんプレイヤーにも影響を与えます。(従来で言うクエスト)

今までのただ量産されたクエストをこなしていくのでは無く、リアルな世界で冒険していく中で
出会ったプレイヤーやNPCと一期一会のクエストに挑戦するのです。

ここら辺はTRPGに近い感覚かも知れませんね。
どのように管理するのだろう?という疑問は残りますが、そんな世界が実現したとしたら
MMOの世界は今とは全く違った物に成るんじゃないかと思います。

さて、次に「没入感の進化」に関してです。

没入感っていうのは、「その世界に入り込んでいる感覚」の事を言います。

没入感が究極に高まった世界が、アニメ「ソードアートオンライン」の世界ですよね。
まるで自分がゲームの世界に入り込んだような感覚、生きている間に感じてみたいものです。

AIの進化と平行して、この没入感の進化がやってくるのではないかと思います。

実は、この没入感の進化に関しては、MMOでは無いですが、すでに映像関係の分野では
かなり進んできています。

「Oculus」って知ってますか?

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こんなやつです。

いわゆるヘッドマウントディスプレイなのですが、これを使うと没入感がかなり高まります。
どのくらい高まるかっていうと次の動画くらい高まるんです。

これはちょっと罪悪感を覚えるドッキリですよね笑。

Oculusによって、まるで自分が本当にジェットコースターに乗っているという感覚を味わっている
最中に背中を押されたもんですから、目の前の(錯覚した)現実と自分の体の挙動がおかしな
ことになりパニックに陥っています。

普通にイヤホンをしてディスプレイを見ているだけではこんな現象は起きないですから、
彼は映像の世界に没入していたと言えます。

これを使ってホラーゲームとかやったらかなり怖そうだと思いませんか?

このような技術によって、「自分が受信する、視覚・聴覚情報」に関してはリアルだと錯覚してしまう
くらいの技術は現代でも存在します。

重要なのが、「自分が受信する触覚情報」および「自分が発信する情報」がゲームの世界にリアルに
反映されるか?という部分です。

例えば自分がOculusを被ってゲームをした時に、目の前にドラゴンが現れたとします。

それを自分が実際に持っている剣で切り裂いた時に、ドラゴンはリアルに切り裂かれるのか?
そして切り裂いた感触が自分の体に伝わってくるのか?という部分です。

残念ながら現時点では技術的にその域まで達する目処さえ経っていない状況ですが、
今後PCの性能がより向上し、脳の構造解析が進む事によって少しずつ実現への道を
歩んで行くのではないかと思います。

ウルティマオンラインが1997年。

リネージュが2001年。

World of Warcraftが2004年。

3〜4年周期で出てきた革新的なMMOも、
wowを最後に10年近く出てきていません。

果たして次世代MMOの名を我が物にするタイトルはいつ現れるのか?
期待を胸に抱きつつ2015年を迎えようと思います。

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